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幼な子われらに生まれ-2017あらすじ評価&感想

総合評価9/10

映画「幼な子われらに生まれ」は、2017年の8月26日に劇場公開されて現在でも上映中の三島有紀子監督によるヒューマンドラマになっております。

 

もとになっているのは直木賞受賞作家の重松清が1996年に発表した社会派文学になり、時代設定を今に移して社会情勢を反映させながら映像化されていました。

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20年前に原作者自身が荒井春彦に脚本協力をお願いして、20年の時を越えて完成された作品になります。

 

ひとつに見えていた家族がふたつに分かれていき、再び巡り合うまでのストーリー展開には心温まるものがありました。

 

再婚した先の家庭ともとの家族との関係の間で揺れ動く主人公の信の生きざまを、浅野忠信が多彩な表情で表現していました。

 

現在の妻の連れ子であるふたりの娘たちに対して愛情を注ぎつつ、血の繋がった離れて暮らす娘へのほのかな思いが印象深かったです。

 

仕事や出世よりも家族と一緒の時間を大切にしつつ、ケーキショップでお土産を買い唯一の道楽であるひとりカラオケで熱唱するシーンが微笑ましかったです。

 

ある日突然の妻の奈苗の妊娠とリストラに近い出向によって、穏やかな日常が動き出している予感がありました。

 

一家が暮らしている東京近郊のニュータウンの、斜行エレベーターと人工的な明かりには忘れがたいものがありました。

 

信が左遷された先の物流センターで単調なルーティンワークをこなしていくうちに、ロボットのような無表情に変貌していく様子が不気味でした。

 

近未来SFを思わせるような世界観のなかで、敢えて親子や出産といった永遠のテーマに挑んでいるところが斬新な発想でした。

 

奈苗の長女の薫に、南沙良が子役とは思えない迫真の演技を見せていました。

 

現在の父親と過去の父親の板挟みに苦しんでいる場面には胸が痛みました。

 

自らの過去と向き合っていくことによって、彼女が導き出したひとつの選択肢が感動的でした。

 

ラストに訪れる小さな驚きと奇妙な感動を、多くの人に見て欲しいです。

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