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[映画]彼女の人生は間違いじゃない-ネタバレ感想

映画「彼女の人生は間違いじゃない」は、2017年の7月15日に劇場公開されて現在でも上映中の廣木隆一監督によるヒューマンドラマになっております。

 

もとになっているのは福島県出身である廣木隆一が現地の人にインタビューをして書き上げた小説になり、監督自らの手によって映像化されている作品になります。

 

東日本大震災への静かなレクイエムと、復興への確かな思いが込められていました。

 

福島県の仮設住宅と渋谷を行き来する、ヒロインの生きざまを描き切っていました。孤独で多くを語らない主人公のみゆきを、瀧内公美が陰のある表情で表現していました。

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高良健吾や蓮佛美沙子をはじめとする、脇を固める個性豊かな俳優たちとの共演が見どころです。

 

ウイークデーは被災地の市役所での仕事をルーティンワークのごとくこなし、週末になると大都会の真ん中にある風俗店に勤務する様子が印象深かったです。

 

母親は津波で流されて行方不明になり父親はギャンブル依存症気味で、彼女の寄る辺のなさが伝わってきました。

 

僅かな震災保証金を毎日のパチンコにつぎ込む、父の自暴自棄な有様には胸が痛みました。その一方では警戒区域ゆえに生きがいでもあった農業を奪われた過去には、現実の社会の問題点や矛盾を鋭く捉えていました。

 

平日と土日を繋ぎ日常から非日常へとみゆきを導いていく、往復の高速バスのシーンが圧巻でした。

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全編を通して喜怒哀楽に乏しい彼女の、徐々に壊れていく内面が車内の窓ガラスに映し出されていきます。

 

豊かな自然に囲まれている地方で暮らすひとりの人間が、無機質な夜に飲み込まれて匿名の存在になってしまう不気味さがありました。

 

ヒロインだけではなくこの映画に登場する多くのキャラクターたちが、ふたつの顔を使い分けているところが面白かったです。

 

表向きは復興完了と見なして、国や政治から見捨てられていく土地に重なり合っていきます。

 

ラストに訪れた小さな救いと主人公の旅立ちを、多くの人に見て欲しいです

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