
アトミック・ブロンドーネタバレ&感想
映画「アトミック・ブロンド」は、2017年の10月20日に劇場公開されて現在でも上映中のデイヴィッド・リーチ監督によるスパイアクションになっております。
東西冷戦の終結が近づいているベルリンを舞台に設定して、極秘任務へと挑んでいく主人公の姿を描き切っていました。ある登場人物が当時の状況を激白しながら振り返っていく、回想スタイルで展開していきます。MI6のすご腕エージェントのローレンの役を、シャリーズ・セロンが華麗なアクションで演じていました。
各国の首脳や諜報機関を震え上がらせるほどの、極秘情報が収められている収録リストを奪還する任務がスリリングでした。ジェームズ・マカヴォイが演じている、いまいち頼りにならない相棒のデイヴィッドが笑いを誘います。
エディ・マーサンやジョン・グッドマンをはじめとする、わきを固める個性豊かな俳優たちの共演も見どころです。
オープニング直後に挿入される入浴シーンでの、ヒロインの鍛え上げられた肉体が美しさ溢れていました。次々と迫りくる屈強な男たちを、持てる力の全てを振り絞ってなぎ倒していくところが痛快でした。必殺技の仕込みピンヒールだけではなく、コップからフライパンまで身の回りのものを何でも武器にしてしまうところがユーモアセンスたっぷりでした。
強敵たちと面と向かい合っていく肉弾戦から、卓越した射撃テクニックを披露する銃撃戦まで迫力満点でした。
クライマックスシーンでのベルリン脱出を試みる7分あまりの場面を、ワンカットで映し出されているのが良かったです。
世界各国の思惑が複雑に交錯していきスパイが暗躍する、ドイツ独特なムードを感じることが出来ました。
ベルリンの壁の崩壊が迫る、新しい時代の幕開けの雰囲気が伝わってきました。当時の混沌とした国際情勢を描きつつ、今の世界に向けての鋭いメッセージや批判が込められていました。
ジョン・ル・カレのスパイ小説やジェームズボンドの映画が好きな方にはお勧めな作品です。