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月夜釜合戦-ネタバレ&感想

映画「月夜釜合戦」は、2017年の12月23日に劇場公開された佐藤零郎監督によるヒューマンドラマになっております。

反社会的勢力の代紋が刻み込まれた盃が盗まれたことで巻き起こっていく、思わぬ騒動を描いている作品になります。

1981年京都生まれの若手作家が、古き良き時代の大阪の街並みや雰囲気を忠実に再現していきます。全編を通して大阪市西成区の北東部に立地する、あいりん地区で行われたロケが見どころです。

デジタル上映が当たり前の今の時代に敢えて、16ミリフィルムで撮影されているので奇妙な味わいがありました。

釜ヶ崎のとある組織に代々受け継がれてきた、大切な盃がある日突然に消え失せてしまう事件が発生します。

盗難にあった盃がたまたお釜の形をしていたことから、下っ端の構成員たちは街中を駆け回って釜を買い占めていきます。

ひと儲け企んでいる泥棒や一匹狼として生きる売人たちまでが入り乱れていき、壮絶な釜の争奪戦が繰り広げられていきます。

それぞれの思惑が複雑に絡み合っていく中で、対立する者同士に奇妙な一体感が生まれていきます。

労働者の居場所として昔から栄えてきた釜ヶ崎が、現在では急速に変化を遂げていることを考えさせられました。

国や自治体が推し進めている環境美化活動のプロパガンダによって、古い家屋が次々と取り壊されていることを思い浮かべてしまいました。

路地裏の風景が失われて、至る所に監視カメラが張り巡らされている不気味さがありました。

商店街が廃れて、日本全国どこにでもあるようなチェーン店や大型量販店が立ち並ぶ様子には一抹の寂しさがありました。

その一方では釜ヶ崎でしか生きることができない人々が、本作品の中では数多く登場します。川瀬陽太が演じている泥棒や門戸紡が扮する立ちんぼなど、皆がめつく強かですが毎日を必死で生きる生命力が伝わってきました。

地方の出身で現在では都会の生活を送る方にお勧めの映画になります。