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ネリー・アルカン愛と孤独の淵でーネタバレ&感想

評価:91/100

映画「ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で」は、2017年の10月21日に劇場公開されて現在でも上映中のアンヌ・エモン監督による伝記ドラマになっております。

 

フランスの文壇に衝撃を与えた、ひとりの小説家の数奇な運命が映し出されていく作品になります。

 

カナダ人女性のネリー・アルカンは、かつては高級エスコートガールとして生きてきました。

 

カナダの中ではフランス語圏にあたるケベック州の出身であることを活かして、執筆活動へと没頭していきます。

 

自らの過去を赤裸々に暴露した自伝小説のヒットにより、1大センセーショナルを巻き起こします。

 

作家としての地位や名誉にとどまることなく、社交界へと進出していき時代の寵児と持て囃されます。

 

それと同時に、自らが生み出した影の存在によって次第に精神的に追い詰められていきます。

 

過去と現在を烈しく行き来しながら、加速していくストーリー展開に惹き込まれていきます。

 

小説の中の架空の世界と現実に生きる登場人物が、時おり交錯していく奇妙な味わいがありました。

 

バラバラに見えていたエピソードや無関係なキャラクターたちが、徐々にひとつに収斂していくのが圧巻でした。

 

実在する小説家の生きざまを、女優のミレーヌ・マッケイが迫真の演技でアプローチをしています。

 

自由気ままに生きる熱演シーンだけではなく、陰のある表情や静かな表現など場面によって上手く使い分けていくところが良かったです。

 

メディアが創り上げていくイメージだけではなく、ひとりの女性として苦悩する人間らしい一面も印象深かったです。

 

美しい容姿と恵まれている文才故に、人一倍傷付きやすい感受性が伝わってきました。

 

フランスの文学に造詣の深い方なら、主人公が自ら生命を絶ってしまうクライマックスシーンを思い浮かべるはずです。

 

多くの人が知っている結末に向かって、逆算的に進んでいく展開が斬新でした。

 

映画だけではなく外国文学に興味のある人にお勧めになります。